2007年 05月 25日
バベル BABEL
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バベル BABEL
ケイト・ブランシェット、ブラッド・ピット、ガエル・ガルシア・ベルナル、役所広司という名だたる俳優の中で、アカデミー賞助演女優賞にノミネートされた菊池凛子はサスガにものすごい存在感。
その役のキャラクターによるところも大きいけれど、あの体当たりの演技は本当に素晴らしいと思います。
少年の自慰シーン、聾唖の少女がノーパンのミニスカートで挑発するシーンなど、時々目を反らしたくなるような衝撃的なシーンが多くてちょっと辛くなりました。
モロッコの村で撃たれて動けないケイトが尿意をもよおし、我慢できずに夫(ブラピ)の手を借りて鍋の中におしっこをしたあとのシーン。
同じ女性としてケイトの気持ちが痛いほどわかったし、これを乗り越えられたからきっとこの夫婦はもう大丈夫だな、と涙がほろほろこぼれました。
これほど心を揺さぶられたラブシーンは今までにないくらいに感動。
他のエピソードが切なすぎるだけに、このエピソードだけは希望の持てる終わり方でほっとしました。
全地が一つの言語だった頃、石の代わりにレンガ、漆喰の代わりにアスファルトを手に入れたバビロニアの人々はその技術を用いて天まで届くバベルの塔を作り、その名声を世に顕そうとした。
神は人間の高慢に怒り、人々が互いの言葉を理解できないように違う言葉を話させて混乱させた。
今あるこの世界の混沌はすべてコミュニケーションがうまくできていないせいかもしれない。
単に言葉が違うせいだなんていう問題じゃない。
心から相手と向き合えば必ず思いは伝えられるはず。
逃げていないできちんと思いを伝える努力をしてみよう。
それは、自分と向き合うことでもある。
孤独に埋もれているだけでは何も変えることはできない。
by julian1211
| 2007-05-25 01:38
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